筑豊第604回 「トランプ二期目」日本への余波は 西日本政懇1月例会 「米国の変化、各国と対応を」
西日本政経懇話会1月例会が16日、飯塚市で開かれ、神戸大大学院法学研究科教授の簑原俊洋氏が「異次元の大統領 トランプ二期目の発足と日本への余波」と題して講演した。要旨は次の通り。
トランプ次期米大統領が21日(日本時間)に就任し、新政権が発足する。(不倫の口止めに絡む事件で)34件の罪状全てで有罪となった「罪人」の彼がホワイトハウスに戻って来られた理由の一つに、エリート層に反発する大学卒業未満の「忘れられた人々」をはじめ現状に不満を持った人の結集が挙げられる。しかし彼はエリートのために動いており、労働者の安全や権利をないがしろにする政策を進めれば「忘れられた人々」の賃金は下がる。最終的にひどい目に遭うのは彼に期待した人々だ。
日米関係について、日本の政治家や官僚から「トランプ政権は経験済みだから問題なく対応できる」と楽観視する声が聞かれるが甘い。落選を経て返り咲いた大統領は有権者から再び支持された自信と経験を基に大胆に行動し、今まで以上に物事を転換させようとしてしまう。
2期目は全く別の政権と見なすべきで、米国の変化を理解し、うまく対応していかなければならない。日本はオーストラリア、カナダ、欧州など価値を共有する国々と、一国ではなく全体の利益を追求する形で対応すれば、大きな力になるはずだ。 (吉田真紀)
2025年(令和7年)01月17日(金)