西日本政経懇話会

北九州第573回 円安定着、物価高続く/サハリンの権益維持を/経済ジャーナリストの関口さん

 西日本政経懇話会の5月例会が19日、小倉北区のホテルであり、元NHK記者で経済ジャーナリストの関口博之さんが「ロシアのウクライナ侵攻後の日本経済とエネルギー」と題して講演した。

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要旨は次の通り。

 円安による物価高は当面続くとの覚悟が必要だ。ガソリン価格高騰などがあっても、日銀はデフレを起こさない決意を示すことが大事だと考えていて、金融(緩和)政策を変更しない。インフレ抑制に向かう米国との政策の違いもあり、円安が定着しそうだ。
 ロシアのウクライナ侵攻を受けて、エネルギーの安定供給の重要性が注目された。日本で品不足が最も心配されるのは天然ガスだ。ロシアへの経済制裁を行う中でも欧米と事情が異なる場合があり、サハリンにおける天然ガスの日本の権益は維持すべきだ。
 一方、大きな目標としての地球温暖化対策は変わらない。原子力利用についても避けることなく議論すべきだ。また、九州は再生可能エネルギーの普及が進んでいる。水素エネルギー開発に向けた臨海部のインフラ整備などが進めば、国内の先進地になるチャンスがある地域だ。(古瀬哲裕)

2022年(令和4年)05月20日

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