福岡第573回 「独立自尊の精神を」/ 大嶋仁福岡大名誉教授
西日本政経懇話会の6月福岡例会が22日、福岡市内であり、大嶋仁福岡大名誉教授が「今なぜ福沢諭吉か? これからの日本のために」をテーマに講演し、約120人が聴講した=写真。
約150年前の福沢の著書「学問のすゝめ」を取り上げた大嶋氏は、生活で役立つ学問が重要とされている点を強調。その学問を基に自身で物事の是非を判断する「独立自尊」の精神を挙げ、「政治を政府に任せればいいという態度では、独立した国民とはいえない。今の日本人に必要な精神だ」と述べた。
大嶋氏は、福沢の長女が戦後、敗戦で暗い日本国民を「自尊の念がない」と嘆いたというエピソードなどを紹介。福沢の精神を浸透させるヒントとして、主体性が高いとされるプロ野球の福岡ソフトバンクホークスの選手を引き合いに出し、「一人一人が自身を尊び、自ら行動する国民になってほしい」と語った。
(小川俊一)
2021年(令和3年)06月23日