福岡555回 年内や五輪後解散「ない」/元自民党本部事務局長が講演
西日本政経懇話会の福岡例会が30日、福岡市中央区天神の天神スカイホールであり、長らく自民党本部事務局長を務め、永田町で「選挙の神様」とも呼ばれた久米晃氏が「自民党の選挙 これまで、これから」をテーマに講演した。年内や東京五輪後の可能性が浮上している衆院選について「信を問うに足りるきちんとしたテーマがない。(衆院で絶対安定多数を上回る)議席数を確実に減らすのに(安倍晋三首相は)解散しないと思う」と予測した。
久米氏は、参院選前に取りざたされた衆参同日選は一貫して「ない」と言い続けてきた。理由について「1980年と86年の2回あったダブル選は、その前の(国政)選挙で過半数を割っていた。その回復と投票率を上げるためにダブル選を打ったが、自民支持層が40%まで減った時代に投票率を上げても自民に有利にならない」と明かした。
自民が改選66議席から9減の57議席になった今回の参院選を「3年前と同じような議席を得られ、敗北感はない」と振り返る一方、「野党がもっと早く候補を一本化していれば厳しかった」と指摘。2議席を獲得した「れいわ新選組」の勢いに関しては「立憲民主や国民民主に期待していた人の不満が流れた。一過性のものではないか」と分析した。
9月の内閣改造・党役員人事にも久米氏は触れ「後継者を育てることもリーダーの仕事だ。注目は党幹事長人事。後継者が誰なのかにおわせるような人事を期待したい」と語った。(前田倫之)