福岡524回 「接戦州に着目を」/藤崎前駐米大使が講演
西日本政経懇話会の福岡例会が7日、福岡市・天神の天神スカイホールであり、藤崎一郎前駐米大使が8日に迫った米大統領選と日米関係の行方をテーマに講演した=写真。
選挙戦は民主党のクリントン氏と共和党のトランプ氏の接戦が報じられているが、藤崎氏は「接戦とあおるのは両陣営や米テレビなどのマスコミだ」と指摘。「接戦州(10州程度)の動向に着目すれば選挙の行方が見えてくる」と述べ、クリントン氏優位との見方を暗に示した。
クリントン氏が勝利した場合、内政では経済活性化や教育の充実、人種間対立の緩和に、外交では中国、ロシア、中東との関係改善や強化に取り組むだろうと説明。日米関係については「大きくは変わらない」としながらも、トランプ氏支持派を意識して、駐留米軍経費の負担増を要請することがあり得ると述べた。
クリントン氏が反対を表明している環太平洋連携協定(TPP)については、大統領就任後に承認へ傾く可能性を示唆した。「米国が主導して始めた協定に米国が加わらなければ、外交の信頼性が揺らぐ」と語った。