西日本政経懇話会

筑豊第576回 竜口氏「ロシア、弱い国になる」/外交史研究家

 西日本政経懇話会6月例会が20日、飯塚市であり、元西日本新聞記者で米中外交史研究家の竜口英幸氏が「プーチン大統領を待つ歴史の審判」と題して講演した。要旨は次の通り。
筑豊 竜口英幸.jpg ロシアのプーチン大統領によるウクライナ侵攻の遠因には、2008年の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議でウクライナが加盟を希望したのに対して、ドイツとフランスがロシアへの刺激を避けるため反対したことがある。プーチン大統領はこの時、欧米が一枚岩でないと見抜いた。両国の「親ロ路線」は非難されても仕方がない。
 米英などの武器供与を受けたウクライナの激しい抵抗に対し、ロシアは旧型兵器の物量のみに頼る戦い方に終始している。将来的に、ロシアは「弱い国」となる。経済制裁で輸入は停止状態。世界は「戦争犯罪人」のプーチンを対等な指導者として扱わない。日本はこれを前提に米国、オーストラリア、ニュージーランドなどとの関係を強化し、二大強権国家のもう一つである中国の膨張を阻止しなければならない。 (坂本公司)

2022年(令和4年)06月21日

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