福岡513回「中国経済、簡単に崩れない」/前駐中国大使の丹羽氏が講演
西日本政経懇話会の福岡例会が18日、福岡市・天神の天神スカイホールであり、前駐中国大使で日中友好協会会長の丹羽宇一郎氏が「習近平体制と日中関係の行方」と題して講演した=写真。
丹羽氏は、中国が50以上の少数民族を抱え、国会に当たる全国人民代表大会(全人代)の議員は3千人に上るため「(共産党の)独裁でしか政策決定できない」と指摘。しかし、国民の信頼を得るためには「その声を反映させる体制に近づける必要がある」と述べ、20~30年後には米国のような連邦国家制を目指すとの見方を示した。
その上で、今後の課題は「貧富の格差の解消」と強調。中国経済については、一人っ子政策の撤廃で生産人口が増えることを踏まえ「経済的な地位は簡単には崩れない」とした。日本は「人こそが財産。メード・イン・ジャパンのブランド力と信頼を守らなければならない」と訴えた。
=2015/11/19 西日本新聞=