筑豊第556回 米大統領選「民意が分裂」/渡辺・慶応大教授が講演
西日本政経懇話会9月例会が17日、飯塚市内であり、慶応大環境情報学部教授の渡辺靖氏が「米社会の変化と大統領選挙」と題して講演した。要旨は次の通り。
11月の米大統領選は、国際社会にとって大きな意味を持つ。「理念の共和国」とも呼ばれる米国で、国民が共有する重要な理念の一つに「人種の平等」があった。だが、相次ぐ黒人への暴力事件に伴う抗議デモを巡り、民主党候補のバイデン前副大統領は人種問題だと訴える一方、共和党候補のトランプ大統領は「暴徒からの治安維持」という観点で捉える。それぞれの支持者が対立し、民意は分裂している。
現在はバイデン氏が優勢だが、今後の討論会や抗議デモの行方によって逆転もあり得る。最後まで結果は分からず、注目が必要だ。
バイデン氏が大統領になれば、知日派のスタッフが政権に入り、日米同盟に関する不確定要素は減るとみられる。だが米中対立のはざまで、日本がどう振る舞うかは引き続き重要になる。
(坂本公司)
2020年(令和2年)09月18日