久留米第573回 「地政学と宗教の視点が重要」/ウクライナ侵攻で/下斗米伸夫氏が講演
西日本政経懇話会5月例会が10日、久留米市であり、下斗米伸夫神奈川大特別招聘(しょうへい)教授・法政大名誉教授(旧ソ連、ロシア、冷戦史研究)が「ウクライナ戦争と平和の条件」と
題して講演した。下斗米氏はロシアのウクライナ侵攻を受け、各媒体でコメントしている。要旨は以下の通り。
9日の戦勝記念日、プーチン大統領の演説は、懸念された戦争宣言はなく、ウクライナという言葉を一度も使わなかった。ネオナチとの戦いだと強調し(世界の)多くの人には意味不明だろう。地政学と宗教の視点で見ることが重要だ。
米国バイデン政権はウクライナのゼレンスキー政権を全面支援しているが、米共和党は「ウクライナの問題」と位置づける。今年の中間選挙で共和党が勝てば支援は弱まると考える。
プーチンが恐れる北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大で、中立だった北欧が加盟申請へ向かったのは誤算だろう。停戦の鍵を握るのはトルコ、イスラエル。ローマ教皇の動きも大きい。 (大矢和世)
2022年(令和4年)05月11日