西日本政経懇話会

筑豊第565回 残る「福沢諭吉の宿題」/西日本政懇 福大名誉教授・大嶋氏が講演

西日本政経懇話会6月例会が7日、飯塚市であり、福岡大名誉教授の大嶋仁氏が「今なぜ福沢諭吉か? これからの日本のために」と題して講演した。要旨は次の通り。
筑豊 大嶋仁.jpg 1万円札の肖像画となった聖徳太子と、現行の福沢諭吉には共通点がある。2人とも日本を文明国にしようとした。聖徳太子は秩序ある仏教国家を、福沢は自由な科学国家をつくろうとした。いずれも部分的な成功はあったが、全体的には失敗した。福沢の言ったことはいまだ宿題として現在に残っている。
 福沢は「独立自尊」を唱えた。自分で物事の是非を判断し、他人の知恵によって判断しないこと。日本人も勉強して一人一人が独立心を持てば、国全体も独立性の強い国となる。
 福沢は息子に対し、政府や国家をありがたがってはいけないと説いた。人の指示でやらされるのではなく、自分で判断できれば仕事もスポーツも楽しいし、強くなれる。また、そういう風にならないと生き延びられない時代になっている。 (坂本公司)

2021年(令和3年)06月08日

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