西日本政経懇話会

福岡554回 衆参ダブル選可能性語る/政治評論家・有馬氏

 有馬晴海 福岡.jpg西日本政経懇話会の福岡例会が6日、福岡市・天神の天神スカイホールであり、政治評論家の有馬晴海氏が「参院選の行方と安倍長期政権の課題」と題して講演。参院選に合わせ、安倍晋三首相が衆院を解散して衆参ダブル選挙を仕掛ける可能性について、「永田町では、もしかしたら安倍さんはやるんじゃないかという話になっている」などと語った。

 衆参ダブル選は、1986年を最後に行われていない。

 有馬氏は、以前は公明党が反対していることから難しいとみていたという。だが、今週に入り突如として通常国会会期(今月26日まで)の延長論が浮上してきたことを受け、「衆院議員もダブル選をやる前提で予定を組まないといけなくなった」と述べた。会期延長に伴い、参院選の投開票日が8月にずれ込むと、衆院選を同じ日に行う準備を与党がしやすくなるとし、「両選挙の想定日程がぴたりと合ってくる」と続けた。

 ただ、安倍首相の胸の内は「できれば参院選単独で勝ち、衆参両院の改憲勢力がともに3分の2を保ったままにしたいはずだ」と指摘。その上で、参院選単独では与党が苦戦するとみられる情勢になった場合、ダブル選挙を仕掛けると予測した。

 「安倍1強」の長期政権の弊害についても有馬氏は触れ、「与党の国会議員は安倍さんに好かれようと忖度(そんたく)して、大臣ポストを回してもらおうと争っている」。一方、国会議員が自治体首長に転出する事例も増えてきたとし、国政の人材不足を懸念していた。 (坂本公司)

2019年06月07日

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