西日本政経懇話会

北九州503回「ベンチャー支援大事」新保恵志東海大教授が講演

7a135f1f826a2ea6d264d14232a2a8d86ae210a0.jpg 西日本政経懇話会の11月例会が25日、小倉北区のステーションホテル小倉であり、東海大教養学部教授の新保恵志氏が「アベノミクスは成功するのか~日本経済の課題」と題して講演した=写真。要旨は以下の通り。
 アベノミクス(安倍晋三政権の経済政策)では「名目経済成長率3%、実質経済成長率2%、物価上昇率2%」という数値目標を掲げているが、(政権が発足して)約3年たっても達成されていない。成長戦略の概要を見ても、目標値が並ぶだけで具体的な政策には触れていない。効果も検証されていないのが現状だ。
 アベノミクスの欠陥はどこにあるのか。これまでは金融緩和で円安・株高にし、輸出企業を中心に賃金を引き上げ、消費を増やして収益を上げようとしていたが、収益が上がったのは一部の企業だけだ。
 これからは、ベンチャー企業や中小企業を育てていくことが大事。そのためには、金融機関が経営者を見る目を養い、税制や金融システムを整える必要がある。経済成長には人口増も欠かせない。待機児童問題も含め、保育士の待遇改善など、社会全体で子どもを育てる制度を整えていかないといけない。

=2015/11/26 西日本新聞=

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