北九州第595回 半導体再興、人材育成が鍵/九大名誉教授、安浦氏が講演
西日本政経懇話会5月例会が20日、小倉北区のJR九州ステーションホテル小倉であり、九州大名誉教授の安浦寛人氏が「九州の半導体産業の再興に向けて」の演題で講演した=写真。要旨は次の通り。
半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の熊本進出で半導体産業が注目を集めている。本社がある台湾は、半導体や関連産業の生産額がそれぞれ九州を大きく上回っているが、30年前は九州の方が多かった。台湾は半導体の製造だけでなく、設計にも力を入れてきた。
半導体は自動車やスマートフォン、データセンターなどさまざまな分野で使われている。半導体とそれぞれの産業とを結び付けるのが設計であり、製造の実力を生かすためにも重要になる。日本が強みを持つ半導体の製造装置や材料などに加え、設計分野にも力を入れるべきだろう。
半導体産業の再興には人材育成が大切だ。九州には、半導体関連企業が数多くあり、優秀な技術者を育成する教育機関もある。この産業に人生を懸ける価値があると若い人に思ってもらえる教育プログラムをつくらなければならない。 (田中良治)
2024年(令和6年)05月21日(火) |