筑豊547回「言葉はあらゆる所で変わっている」/飯間氏が講演
西日本政経懇話会7月例会が8日、飯塚市片島のパドドゥ・ル・コトブキで開かれ、日本語学者で三省堂国語辞典編集委員の飯間浩明氏が「ことばが変化するということ? 国語辞典をつくる視点から」と題して講演した。要旨は次の通り。 (中川次郎)
全然面白いという言葉について、「全然」には打ち消しの言葉が続くのが一般的で、全然駄目だなど否定形でないとおかしい、という意見があるが、戦前から「完全に。すっかり」という意味でも使われていた。間違っていると言われる言葉も、誤用とするのは慎重にならなければならない。
「粛々」は「おごそかで物静かな様子」を示すが、今では粛々と業務をこなすのように、「何が起きても予定通り着実に行う様子」の意味でも使われている。
マスコミは言葉の変化の一部を取り上げるが、それ以外でも言葉はあらゆる所で変わっている。辞典は数年に一度、改訂版を出し、新しい言葉や使い方の変化を反映させており、スマートフォンなどのアプリでも販売している。