西日本政経懇話会

筑豊第566回 「利益惜しまず社会還元」/井島氏 渋沢栄一の功績紹介

西日本政経懇話会7月例会が15日、飯塚市であり、元渋沢倉庫取締役の井島孝氏が「渋沢家が残したもの」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
筑豊 井島孝.jpg 「日本資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一(1840~1931)は生涯に約500もの企業の創設・育成に関わったが、渋沢倉庫のみ、社名に「渋沢」の名がある。この会社に勤めたのをきっかけに私が学んだ、栄一翁の功績について話したい。
 埼玉県深谷市にあった豪農の家に生まれ、幼い頃から書物に親しんだ。幕末期にパリ万国博覧会への使節団の一員として渡仏する幸運があり、先進諸国の経済を学んだ。
 明治政府で働いた後は、実業人として活躍。論語に経営理念の範を求め「余りあるをもって人を救わんとすれば人を救う時なし」という言葉を実践し、経済活動で得た利益を惜しみなく社会に還元した。困窮者の救済、医療のサポートなど多方面にわたる約600の慈善事業に取り組んだ。その考え方は現代にも通用する。 (坂本公司)

2021年(令和3年)07月16日

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