久留米504回「長期的な成長戦略を」/新保教授が講演
西日本政経懇話会の久留米例会が24日、久留米市であり、東海大教養学部の新保恵志教授が「アベノミクスは成功するのか~日本経済の課題」のテーマで講演した。要旨は次の通り。
名目成長率3%、物価上昇率2%などの目標を掲げたアベノミクス。長い目で見る必要があるが、達成されていないのが現状だ。
そもそも日本経済に必要なのは、短期的な数値目標を追うことではなく、長期的な成長戦略を立てることではないか。低成長の根本的原因は人口減少にある。待機児童をなくす、保育士の待遇改善などの基本的政策を実行すべきだ。また、新たな成長のけん引役であるベンチャーや中小企業の育成に力を入れてほしい。
安倍晋三首相は「新三本の矢」を打ち出したが、実現するための具体策は示されていない。政策あっての目標であることを忘れてはならない。 (中野剛史)
=2015/11/25 西日本新聞=