福岡523回 中国経済勢い欠く/石平拓殖大客員教授が講演
西日本政経懇話会の福岡例会が5日、福岡市・天神の天神スカイホールであり、拓殖大客員教授の石平氏が「中国の現状と日中関係」と題して講演した。
中国政府は4~6月期の成長率を6・7%と発表したが、経済活動の実態を反映する電力消費量や鉄道貨物の運送量は低迷したため、石氏は「実際の成長率は半分以下ではないか」と指摘。「労働コストの上昇で中国製品の競争力が低下する一方、高速鉄道などの公共投資も勢いを失い、成長のけん引役がなくなっている」と分析した。
習近平指導部が南シナ海の軍事拠点化や、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設など政治、経済の両面で中国を中心とした新たな秩序をつくろうとしている点に着目。「日中の戦略的対立は避けられない。中国とは一定の距離を保ちながら、周辺のアジア諸国と連携すべきだ」と述べた。