北九州第589回 岸田政権「危険水域」/ 西日本政懇 龍崎孝氏
西日本政経懇話会11月例会が30日、小倉北区のJR九州ステーションホテル小倉であり、新聞、テレビで政治記者を経験した流通経済大副学長の龍崎孝氏が「岸田政権と日本政治の展望」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
岸田文雄政権は、間もなく危機を迎える。内閣支持率と自民党支持率を足した数値が50%を切ると、政権は危険水域に入るといわれるが、既に下回ってきた。
どうしてこんなことになっているのか、岸田氏は理解できていないのではないか。減税策は、未来への不安を抱える国民に「また借金をつくるのか」と見透かされている。少子化対策で児童手当を増やすというが、手当をばらまくだけでは通用しない。
政権を維持できているのは自民党内で「岸田降ろし」が始まっていないからだ。来年9月には党総裁選があり、解散総選挙のタイミングは三つしかない。来年1月の通常国会冒頭、4月の予算成立後、6月の通常国会の終わりだ。だが、いずれも負ける可能性が高く、手詰まり状態だ。支持率が回復した今年5月のサミット直後に解散しておけば良かったと、つくづく思っているだろう。 (古川努)
2023年(令和5年)12月01日(金)