筑豊第561回 「エネルギー対策柔軟に」/九大院・藤本教授が講演
西日本政経懇話会2月例会が22日、飯塚市であり、九州大大学院工学研究院
エネルギー量子工学部門教授の藤本望氏が「エネルギー、環境と我々(われわれ)の生活の過去、現在、将来」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
われわれの身の回りの電化製品はこの50年程度で大幅に増えた。世界でも各国が豊かな生活を得ようとしており、人口も増加している。地球規模でエネルギーの消費が今後も増大することは避けられない。
問題となるのが二酸化炭素(CO2)をはじめとする温室効果ガスの排出だ。わが国は発電などのエネルギー消費の大半を石炭や石油など化石燃料に依存している。政府は2050年までの温室効果ガス排出実質ゼロを掲げるが、実現のためにはあらゆる対策を柔軟に取る必要がある。
太陽光などの再生可能エネルギーは天候などに左右されやすい上、高コストのため発電の主力にするのは難しい。その一方で、原子力はCO2排出がほぼない点から今後も発電などへの活用が不可欠だと考える。 (坂本公司)
2021年(令和3年)02月23日