西日本政経懇話会

筑豊第592回 激変する中国を見つめて 西日本政懇12月例会 坂本信博氏

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 西日本政経懇話会12月例会が11日、飯塚市内であった。西日本新聞前中国総局長の坂本信博社会部次長が「巨竜に迫った3年間~前北京特派員が語る中国最新事情~」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
 中国の30省・自治区・直轄市の100都市以上を訪れ、新疆ウイグル自治区の強制不妊疑惑などを報道した。取材時には幾度も当局から圧力をかけられ、計7回拘束された。共産党と役人と人民を分けて捉える必要があり、記事を書く際は「中国は」「中国人は」と安易に束ねず、全体がそうだと受け取られないよう心がけた。3年間で人や文化、食に魅せられた。
 習近平国家主席が「新時代」を掲げる今は、経済状況が厳しい。富裕層が日本の不動産を購入していると報道があったが、日本を侵略するというより、いざというとき避難しようという思いが強いようだ。日本に関心を持ってくれる人をどう温かくもてなすかが、日本の国益にもつながる。
 古典歴史小説の三国志演義には、こんな至言が刻まれている。「三日会わざれば刮目(かつもく)して見よ」(人は変わる。3日も会わなければ思い込みを捨ててよく見るべきだ)。この3年間でも中国は劇的に変わった。油断できない国であるのは間違いないが、可能性を秘めている。日本が生き残るためにも、中国を見つめ、知ってほしい。 (吉田真紀)

2023年(令和5年)12月12日(火)

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