筑豊第575回 エネルギー政策「かじ取り重要に」/元NHK 関口氏が講演
西日本政経懇話会5月例会が20日、飯塚市であり、元NHK解説主幹で経済ジャーナリストの関口博之氏が「ロシアのウクライナ侵攻後の日本経済とエネルギー」と題して講演
した。要旨は次の通り。
日本のエネルギー政策は、「エネルギー安全保障」と「脱炭素化」という難題を両立させるためのかじ取りが重要な局面に来ている。ロシアのウクライナ侵攻の影響を受け、原油価格は高騰。政府はガソリン価格を抑えるための補助金を石油元売り会社に出しているが、脱炭素化という大きな目標からすれば無制限に広げるのは望ましくない。
日銀はデフレを防ぐことを最重視し、金融緩和政策の継続を決めた。円安による物価高は当面続くだろう。そんな中、安価で安定的なエネルギーを確保するため、ロシア・サハリン沖での石油・天然ガス開発事業の権益は細心の注意を払って維持するべきだ。都市ガスなどに必要不可欠で供給不足はエネルギー安全保障に関わる。原子力利用についても避けることなく議論が必要だ。
(坂本公司)
2022年(令和4年)05月21日