福岡第605回 半導体再興 設計と人材が鍵/西日本政懇 安浦氏が講演
西日本政経懇話会5月例会が9日、福岡市・天神であり、九州大名誉教授の安浦寛人氏が「九州の半導体産業の再興に向けて」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
台湾の半導体産業の収益をみると、半分を製造、30%ほどを設計が占める。設計企業と製造工場は近くにある方が効率が良い。台湾積体電路製造(TSMC)が熊本に建てた工場を九州の地で生かすには、近くに設計部隊を持つことが極めて重要になる。天神のオフィスなどに設計企業を誘致することが大事だ。
半導体や関連産業の生産額は30年前は九州が台湾の10倍以上だったが、現在は逆転している。産業の全体像を見渡せる人材が行政や経済界、半導体業界、研究機関に不足していた。再興に向けて実効的な戦略を作り、戦略に合わせた学びの場を提供する必要がある。産業政策と研究振興、教育が連携した地域づくりも大切だ。 (横田理美)
2024年(令和6年)05月10日(金)