西日本政経懇話会

福岡第592回 持続的な賃上げ重要/ニッセイ研・伊藤氏

 西日本政経懇話会3月例会が9日、福岡市であり、ニッセイ基礎研究所の

伊藤さゆり 福岡.jpg

伊藤さゆり究理事が「なぜ今、賃上げなのか?―世界の潮流変化を踏まえて」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
 今年の春闘は、26年ぶりの高水準となる賃上げが見込まれている。各社とも急激に進む物価高に対応しようとしているが、残念ながら今回の賃上げだけでは、この物価上昇を補うことはできない。欧米各国の中央銀行による利上げ局面は続いており、今後も日本に対するインフレ圧力は続きそうで、持続的な賃上げが重要になってくる。
 日本経済は長引くデフレで賃上げが抑制されてきた。良い商品を作っても安くないと売れず、長期的な経済停滞につながった。今後は賃上げで消費者の購買力を上げ、企業が売り上げを伸ばし、そして国内市場が成長するという良い循環を取り戻す必要がある。そのためには優秀な人材が必要で、賃上げは人材確保の基礎になる。賃上げの流れに中小企業がついて行けるようにする政策も必要だ。(下村ゆかり)

2023年(令和5年)03月17日(金)

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