西日本政経懇話会

久留米第587回 九州歯科大 吉野教授が講演/食事で脳トレ、認知症予防を

 西日本政経懇話会9月例会が6日、久留米市であり、九州歯科大

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共通基盤教育部門の吉野賢一教授が「脳からみた『人の食べる』~食べて脳トレ・認知症予防」と題して講演した=写真。

要旨は次の通り。

 人間は目で物を見ると考えられているが、脳科学的には脳で物を見ている。目はセンサーで、入力された情報を脳が処理する。脳で見えなければ、目の前にあっても見えない物もある。われわれは脳を働かせることで、物を見聞きしたり、味を感じたりしている。
 脳がうまく働かない病気の代表格が認知症だ。脳のさまざまな働きにトラブルがおき、生活に支障が出る病気で、誰もがかかりうる。予防には脳をストレスなく、楽しくトレーニングすることが大切だ。日常生活に少し工夫を加えれば、ほどよい脳トレになる。
 特に食べる行為は人間にとって特別だ。食事中は他人と顔や目を合わせ、心を通い合わせている。会食に積極的に参加し、健康な口でよくかんで楽しみながら食べることで、怒らない脳や記憶を鍛えられる。健康な口があれば、食べること自体が脳トレになる。楽しみながら認知症予防につなげてほしい。  (山下真)

2023年(令和5年)09月07日(木)

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