西日本政経懇話会

北九州第551回香港デモ 激化懸念 立教大の倉田教授が講演

西日本政経懇話会2月例会が4日、小倉北区のホテルであ.倉田北九州jpg.jpgり、立教大法学部教授の倉田徹氏が「香港民主化デモと東アジアの行方」と題して、抗議活動が続く香港の現状と東アジアの行方について講演した。要旨は次の通り。
 2019年2月に香港政府が「逃亡犯条例」改正を提案。犯罪容疑者を中国に引き渡しできるようになることなどから民主派が反発した。資産没収などを懸念した財界人やエコノミストといった保守層も反発し、返還後最多の103万人を動員するデモとなった。
 当初は平和的だったが、政府側がスピード審議する方針を表明。審議を妨害しようと立法会(議会)を包囲する事態になり、デモ隊と警察官が激しく衝突する状況となった。
 デモ側は条例審議停止を勝ち取ったものの、デモは収束せず、警察を罰することなどを求める「五大要求」を提起。権威主義的な政府と、自由な市民社会の対立が激化する形となった。
 現在デモは少し落ち着いているものの、中国を中心に感染拡大する新型コロナウイルスへの政府対応に、市民の政府不信と反中感情が高まっている。医療関係者のストライキもあり、今年夏には怒りが爆発する可能性もある。昨年よりもひどい事になるのではと懸念している。 (東祐一郎)

2020年(令和2年)02月05日(水)

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