筑豊第571回 「弁当の日」で子ども成長/映画監督の安武さんが講演
西日本政経懇話会1月例会が14日、飯塚市であり、映画監督の安武信吾氏=宮若市出身=が講演した。
安武氏は、2008年に早世した妻からみそ汁の作り方を教わった娘との暮らしを
つづった書籍で、映画化もされた「はなちゃんのみそ汁」の原作者。昨年、子どもが弁当を自ら作る取り組みをテーマにしたドキュメンタリー映画「弁当の日 『めんどくさい』は幸せへの近道」を製作した。講演要旨は次の通り。
「弁当の日」の取り組みは香川県の小学校で校長を務めていた竹下和男さんが始めた。給食をおいしそうに食べず、たくさん残すのを悩んだことがきっかけだ。当初は保護者や同僚教員に理解されなかったが、「風邪で寝込んだら子どもがかゆを作ってくれるようになった」などと感謝の声が聞かれるようになった。
台所に立った子どもが「おいしい」「ありがとう」と褒められ、自尊感情が高まる。自分も他者も大切にできる人に成長する。
映画は1年半かけて「弁当の日」にまつわる風景をカメラで追った。簡単に思いつきそうなことだが、実は世を良くする力を秘める「コロンブスの卵」。「弁当の日」はそんな取り組みだと思う。 (坂本公司)
2022年(令和4年)01月15日