福岡第617回 「『親不孝介護』で離職を防ぐ」/ 西日本政懇/ 川内潤さん講演
西日本政経懇話会の6月例会が13日、福岡市であり、NPO法人となりのかいご代表の川内潤さんが「親不孝介護で離職を防ぐ!~経営者・自治体が取り組むべきこととは」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
日本では高齢化が進み、高齢者1人を支える若者の負担が増している。介護を理由とした離職者は年間約10万人に上る。
「介護を自分の手で行うことが親孝行」との意識が、介護と仕事の両立の障害になっている。家族が介護を抱え込むと、自分の生活を犠牲にしたり、社会との接点がなくなったりしてストレスが蓄積しやすくなる。
愛情深く関わり続けるためにも日々の“介護作業”はプロに任せ、家族は介護を受け入れる心構えや相談先の確保に注力すべきだ。介護が必要になる前から地域包括支援センターなどに相談しておくといい。
会社の介護休業などの制度は介護の態勢づくりに使うべきだ。単に充実した休業制度では、従業員自らを介護の作業に向かわせかねない。早い段階から両立のための情報や体験談を周知するべきで、介護に悩む従業員には早期に相談先につなぐ対応が重要だ。 (仲山美葵)
2025年(令和7年)06月15日(日)