西日本政経懇話会

北九州第574回 「看板政策に本腰」/岸田政権の課題 / 政策研究大学院大、竹中教授講演

西日本政経懇話会の6月例会が7日、小倉北区のホテルであり、政策研究大学院大の竹中治堅教授(日本政治)が「日本政治の構造変化と岸田文雄政権の課題」と題して講演した=写真。

要旨は次の通り。北九州 竹中治堅.jpg 

一つの選挙区で複数の候補が当選する中選挙区制時代は自民党議員同士の競争が激しかった。派閥の力も強く、首相に与える影響力が大きかった。1994年の小選挙区比例代表並立制導入で、小選挙区では最多得票者1人しか当選できなくなり、派閥主導の政治バランスは崩れた。重要政策の企画立案を担う内閣府の創設や公務員制度改革を経て、首相に権力が集まる今の形ができあがった。岸田政権発足から約8カ月。政策の失敗がなく、支持率は高い。コロナ対策も病床確保やワクチン接種など順調に進んでおり、岸田首相は看板政策「新しい資本主義」に本腰を入れたいところだ。特に半導体はコロナ禍で不足し、製造業に多大な影響を与えており、生産基盤の整備に本気で取り組むつもりだ。
 やりたい政策を進めるには長期政権を築く必要がある。今夏の参院選は自民党優勢との見方が大半だが、どれほど大勝するかにも注目したい。 

(岩谷瞬)

2022年(令和4年)06月08日

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