西日本政経懇話会

筑豊第583回 「国を守るために何できるか」/西日本政経懇話会/元統合幕僚長・折木氏が講演

 西日本政経懇話会2月定例会が10日、飯塚市内であり、

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元防衛省統合幕僚長の折木良一氏が「激動する安全保障情勢と我が国の対応」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。

 安全保障の概念は、従来の外交や軍事に加え、経済やサイバーの分野にまで広がっている。安全保障の基本は「自分の国は自分で守る」。ウクライナでの戦争は、国を守るというのはどういうことかを示唆している。ゼレンスキー大統領の優れたリーダーシップ▽国民の強い抵抗意思▽ウクライナ軍の精強性―。この中の一つでも欠けたらウクライナは崩れるだろう。

 ウクライナで起こっていることは東アジアでも起こり得る、と言われる。台湾有事だ。2025年には中国の軍事的影響力は西太平洋全体に及ぶという分析もある。中国の台湾侵攻を防ぐために、日本は必要な防衛力を整備し、外交的手段で中国と交渉し、抑止力を高めないといけない。
 国際的な意識調査で「戦争が起こったら国のために戦う」と答えた割合は、日本は13・2%だった。割合が低いのは「戦い」とは前線で戦うことだ、という誤解があると思う。医療や輸送など後方での支援も「戦い」だ。国を守る、家族を守るために、それぞれの立場で何ができるのか考えてほしい。(坂井彰太)

2023年(令和5年)02月11日(土)

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