西日本政経懇話会

久留米第567回 矛盾抱えた中国どこまで /興梠一郎教授が講演

西日本政経懇話会11月例会が29日、久留米市であり、神田外語大の興梠(こうろぎ)一郎教授が「いま中国で何が起きているのか?~習近平体制の現状と課題」と題し講演した=写真。
久留米 興梠一郎.jpg 興梠教授は大分県出身。九州大卒、カリフォルニア大バークリー校大学院修士課程修了で、現代中国論が専門。要旨は以下の通り。
 中国を理解するには、文化、歴史、制度に基づいて見なくてはいけない。私は資本主義と共産主義のハイブリッド国家と考えているが、矛盾を抱えたままどこまでやれるのか。
 習近平国家主席は自国の巨大IT企業を目の敵にしているようだが、内実を見ると、企業と江沢民など歴代指導者との距離、権力闘争の側面が大きい。中国共産党はいわば親族の利権集団であり、家系図、人脈を頭に入れて見るべきだ。
 習近平は一生指導者である体制を固めつつある。毛沢東の時代、彼の暴走を止められる者はいなかった。習近平1人の判断で、複雑化した社会と向き合うのは難しい。中国の今後最大の問題だろう。 (大矢和世)

2021年(令和3年)11月30日

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