西日本政経懇話会

北九州508回 中国経済の今後探る/富士通総研の柯隆氏講演

ba5c52033460f3b3a2670b1727b1308594049fcb.jpg 西日本政経懇話会の4月例会が19日、小倉北区のステーションホテル小倉であり、富士通総研主席研究員の柯隆(かりゅう)氏が「中国経済の動向」と題して講演した。要旨は次の通り。

 昨年から中国経済の減速が言われているが、中国人観光客は当面は減らないとみる。人数だけでなく、いくら使ってもらえるか。質を議論することも大事だ。

 中国経済は今、どこへ向かえば良いのか分からなくなっている。これ以上経済を自由化するのか、政治を民主化するのか、その判断が難しくなっている。

 中国経済は投資も消費も増やせず、輸出も縮小している。生産年齢人口の減少も、経済を押し下げている。人口減をカバーする技術革新も本格的にはできていない。基礎研究をおろそかにしていては、先進国の仲間入りは難しい。

 中国社会を見る上で、(1)政治統制の強化(2)経済自由化(3)ナショナリズム高揚-の三つの座標軸がある。習近平政権は政治統制を強化し、経済自由化は縮小する。ナショナリズムはやりたくてもできないだろう。このままいくと、徐々に下がるか横ばいに推移する「L字形成長」になるのではないか。

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