西日本政経懇話会

久留米第560回 家業手伝い、実業の心得学ぶ/ 井島氏が渋沢栄一テーマに講演

西日本政経懇話会3月例会が31日、久留米市であり、元渋沢倉庫取締役の井島氏が「日本

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資本主義の父」と呼ばれる実業家渋沢栄一をテーマに講演した=写真。井島氏は、渋沢が創業した

沢倉庫に長く勤めた。要旨は次の通り。

 渋沢は現在の埼玉県深谷市に生まれた。実家は豪農で、読書家。この育ちの良さが、誰からも好かれる性格を形作ったと思う。藍玉作りの家業を手伝う中で、実業には本から学ぶ知識だけでなく、人との信頼関係が最も必要であることを自然に身に付けたのだろう。
 尊皇攘夷(じょうい)の志士として活躍した後、一橋家の家来になった。「日本資本主義の父」という顔のほか、徳川慶喜の名誉回復に奔走した晩年の姿もある。臆病者とそしられても朝廷への恭順を貫いた慶喜の政治姿勢が、徳川幕府から明治政府への政権交代を進めたとして、伝記編集に私財を投じた。 (野村大輔)

2021年(令和3年)04月01日

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