福岡 505回 「自由社会に閉塞感」 社会学者の大澤氏 西日本政懇で講演
西日本政経懇話会の2月例会が25日、福岡市・天神の福岡国際ホールであり、社会学者の大澤真幸(まさち)氏が「格差の問題から自由の問題へ」の演題で講演した=写真。
大澤氏は「20世紀の冷戦時代は、自由を重んじる資本主義と平等を重んじる社会主義が対立し、自由が勝った」とした上で、「21世紀の社会は自由なのに、どこか不自由な閉塞(へいそく)感に直面している」と問題提起。
フランスの経済学者トマ・ピケティ氏が主張する「貧富の拡大」にも触れ、「格差の根本には、蓄財を目的とする守銭奴の存在がある。道徳的な行為も金銭が目的になると自由さが失われ、価値のない行為になる。自由社会の行き詰まりをどう克服するかが課題だ」と資本主義の欠点を指摘した。
=2015/2/26 西日本新聞=