久留米543回「天皇陛下、国民と苦楽を共に」/河西氏が講演
西日本政経懇話会の4月例会が18日、久留米市であり、名古屋大大学院人文学研究科准教授の河西秀哉氏が「平成の天皇のあゆみと新元号」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
天皇陛下は象徴を模索すると繰り返し言ってきた。憲法は国事行為を定めているが、慰問や慰霊の旅といった公的行為は書かれていない。昭和天皇と比べ、公的行為が大変増えている。
右肩上がりの昭和から、平成は格差社会になった。天皇陛下は、共同体からこぼれ落ちそうな人々を救い出そうとしているように見える。被災地や離島を積極的に訪れ、人々と触れ合う。国民と苦楽を共にするというのが、平成の特徴だと思う。
令和の時代の天皇がどうなるか。基本的に平成の在り方が続くと思う。改元はお祭り騒ぎになるだろうが、われわれは女性宮家の創設や皇族の減少といった問題も考えないといけない。 (片岡寛)
2019年04月19日