西日本政経懇話会

久留米第582回 「賃上げの持続が重要」/ニッセイ基礎研究所 伊藤理事

西日本政経懇話会3月例会が8日、久留米市であり、

伊藤さゆり 久留米.jpgニッセイ基礎研究所の伊藤さゆ研究理事が「なぜ今、賃上げなのか?」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
 今年の春闘は26年ぶりの高水準となる賃上げが見込まれている。ただ、物価も歴史的に上がっており、賃上げが物価上昇率を補うレベルには達しそうにない。

 今回の賃上げは急激に進むインフレへの対応という側面がある。コロナ禍やウクライナ侵攻の影響を背景に、世界経済は激しいインフレに直面した。欧米各国の中央銀行による利上げ局面は続いており、今後も日本に対するインフレ圧力も持続しそうだ。
 日本経済は長引くデフレで賃上げを抑制してきた。それが長期的な経済停滞に陥った原因でもある。本来は賃上げで消費者の購買力を上げ、企業が売り上げを伸ばし、国内市場が成長するという好循環を目指さないといけない。

 欧米各国が中国への警戒感を強め、コロナ禍で物流がストップする問題が意識されるなど、世界経済を巡る情勢は変化している。来年以降も賃上げを持続し、労働市場の機能向上をどう図るか。それが、複雑さを増す国際環境で日本が生き残る道だ。 (山下真)

2023年(令和5年)03月09日(木)

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