筑豊第577回 「継続は力」を実践/久留島武彦を語る/西日本政懇で金成妍館長
西日本政経懇話会7月例会が13日、飯塚市であり、大分県玖珠町の久留島武彦記念館の
金成妍(キムソンヨン)館長が「ソンヨン これからの一直線―地域に根ざしたミュージアム」と題して講演した=写真。同町出身で「日本のアンデルセン」と呼ばれた童話作家久留島武彦(1874~1960)の功績を紹介した。要旨は次の通り。
久留島先生は、明治から大正期にかけて活躍した児童文学者巌谷小波(いわやさざなみ)に師事し、178といわれる数の童話を執筆した。柳原白蓮、村岡花子といった著名人との交流も深い。
日本全国や朝鮮半島を巡り「口演童話」という語り聞かせの活動を、死去の2カ月前まで続けた教育者でもある。久留島先生が足を運ぶ場には2千人もの子どもが集まったという記録や写真が残る。「継続は力なり」の言葉を広めたのも久留島先生だ。口演童話の活動で、身をもってその言葉を実践した。
玖珠町にある記念館は、久留島先生の「語りの世界」へいざなう展示をコンセプトとしている。小さな施設だが、ここでしか見せられないものを紹介していきたい。 (坂本公司)
2022年(令和4年)07月14日