北九州第550回 首相の東京五輪花道論も/政治アナリスト 伊藤惇夫氏
西日本政経懇話会1月例会が15日、小倉北区のホテルであり、政治アナリストの伊藤惇夫氏が「2020年の政治展望~安倍政権の行方」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
「永田町」にはさまざまな言い伝えがあり、その一つに「総理(首相)の三大欲望」がある。①1日でも長く続けたい②解散総選挙をして勝ちたい③歴史に名を残したい―の三つだ。
安倍晋三首相の年頭会見などをみると、続ける意欲は満々だ。首相は2014年と17年の2回、窮地に陥った時に解散を決断し、勝利している。「桜を見る会」などで追い込まれれば3回目があるかもしれない。外交上の成果に乏しい首相が歴史に名を残すには改憲しかなく、三大欲望のいずれも満たしていない。
ただ、「安倍一強」がもたらした政権のおごりが目立ち始め、一般の人の中にも「そろそろ(交代してもいいのでは)」という気が起きている。政権には「体力」のようなものがあり、低下時期に入った。
自民党の一部からも首相の「東京五輪花道論」が出始めた。「ポスト安倍」には岸田文雄政調会長や菅義偉官房長官らの名前が挙がっているが、誰が本命になるかは首相の辞め方次第。余力を残していれば岸田氏が後継指名を受けて本命になるだろう。 (伊東秀純)
2020年(令和2年)01月16日(木)