筑豊第568回 「情報は命を守る」/新聞博物館・尾高館長
西日本政経懇話会10月例会が28日、飯塚市であり、ニュースパーク(日本新聞博物館、横浜市)の尾高泉館長が「新型コロナと情報とわたしたち~SNS社会の中で確かな情報を見極める力~」と題して講演した。要旨は次の通り。
現代は「情報を探し出す」という行為をしない人が若者を中心に増えている。スマートフォンなどには、好みのニュースが自動で届く。会員制交流サイト(SNS)では自分と似た意見が届くため、心地よさも感じる。自分の持つ情報の偏りを恥じない人も多い。
新型コロナウイルスや、最近では小室眞子さんの結婚を巡って現れたデマ、誹謗(ひぼう)中傷の背景にこうした事情がある。現代人に届く情報は無責任な発信のものも含め、極めてばらばらだ。責任ある報道の役割が認められ、事実に基づく自由な言論の場ができる必要がある。情報は命を守る、と訴えたい。
(坂本公司)
2021年(令和3年)10月29日