久留米第575回 外交史研究家 竜口氏/「ロシアは弱い国になる」
西日本政経懇話会7月例会が20日、久留米市であり、米中外交史研究家の竜口英幸氏が「プーチン大統領を待つ歴史の審判」と題して講演した=写真。竜口氏は元西日本新聞記者で国際部次長や台北特派員を務めた。要旨は以下の通り。
ロシアがウクライナに侵攻した遠因は、2008年の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議。ドイツとフランスは、ロシアを刺激するとしてウクライナの加盟を認めず、プーチン大統領は欧米が一枚岩ではないことを見抜いた。
軍事力の基礎は経済力。ロシアは経済制裁で輸入停止状態に陥った。外国企業が引き揚げたことで物価が高騰し、頭脳流出も深刻。兵士も不足している。ロシアは弱い国になる。プーチン大統領は、旧ソ連を崩壊に導いた指導者アンドロポフ氏と同じ轍(てつ)を踏んでいる。 (野村大輔)
2022年(令和4年)07月21日