西日本政経懇話会

筑豊第596回 男女格差解消し 神幸現象緩和を 西日本政懇4月例会 大崎麻子氏講演

筑豊 大崎.jpg 西日本政経懇話会4月例会が11日、飯塚市であり、ジェンダー分野が専門で、NPO法人「Gender Action Platform」理事の大崎麻子氏が「ジェンダーギャップの解消に向けて~政策と官民連携の最新動向」と題して講演した。要旨は次の通り。
 「ジェンダー平等」の国際社会共通の定義は「男性と女性が等しく権利と機会を享受し(中略)意思決定にも対等に参画できる状態」だ。一方で、日本では「男女共同参画」と訳されている。平等や差別撤廃といった国際社会共通のコンセプトから少しずれた取り組みが行われていることが、ジェンダーギャップ(男女格差)解消がなかなか進まない要因だろう。
 他国と違い、日本の女性は「男女差別反対!」などと声を上げない。「面倒くさがられる」と分かっているからだ。代わりに「結婚しない」「子どもを産まない」行動になり、未曽有の人口減少を招いている。
 本質的な性差別撤廃に向けた第一歩として、政府は、従業員301人以上の企業に男女間賃金格差の開示を義務化するなど実態の「可視化」に力を入れる。女性が自己決定しながら生きる材料を提供するためだ。
 今後は、いかに人口減少を緩和し、それに適応していくかだ。子どもを産みたい人が産み育てやすい環境を整備し、地方では若年女性の流出を減らす。男女が共に働き、家庭生活を営めるようにして経済を活性化する。これしか方法はない。 (吉田真紀)

2024年(令和6年)04月12日(金)

これまでの記事一覧