筑豊542回「人は間違える動物」/塚崎・久留米大教授が講演
西日本政経懇話会2月例会が12日、飯塚市片島のパドドゥ・ル・コトブキで開かれ、久留米大商学部教授の塚崎公義氏が「人はなぜ、間違えた選択をするのか」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。 (中川次郎)
企業の相談室に「壊れた」とクレームがきた際、壊れにくく、重くデザインが悪い製品を作ると、さらに売れなくなる。必要なのは、他社の製品を買い、自社の製品を買わなかった人の意見だが、わざわざ電話してこない。聞こえてくる声だけで判断せずに、黙っている人の声を感じ取ることが大切だ。
バブルの時、ある銀行員は「昨年、土地を担保に貸した金は全て返ってきた。土地を担保にした融資は安全だ」と言ったが、バブルははじけた。データを見て物事を判断するのは正しい。ただ、データは過去の物なので過信すると危険だ。
人間は間違える動物であり、自分を客観的に見るのは難しい。情報源の偏りについて考え、会員制交流サイト(SNS)などで情報を得る際、自分と違う意見に耳を傾けることも必要だ。
2019年02月13日