西日本政経懇話会

北九州第564回 「独立自尊が必要」 /西日本政懇例会 /大嶋名誉教授が講演

西日本政経懇話会7月例会が12日、小倉北区であり、大嶋仁福岡大名誉教授(比較文学)

北九州 大嶋仁.jpg

が「今なぜ福沢諭吉か? これからの日本のために」と題し、講演した=写真。

要旨は次の通り。
 福沢諭吉は日本の歴史を大きく変えようとした人物の一人だ。科学の精神を浸透させようとし、自分で物事の是非を判断する「独立」の大切さを説いた。福沢の著書「学問のすゝめ」はベストセラーになったが、日本人はそう簡単に変わることはできなかった。
 福沢の考えは日本の伝統的な価値観とぶつかりやすい。例えば、美徳とみられがちな「忠臣蔵」を福沢は批判した。主君の名誉のためではなく、もっと広い世の中のために死ぬことこそが、文明が求めていることだと主張した。福沢のモットーである「独立自尊」が日本で達成されているとは思えないが、今後の世界で生き残るには必要だ。
 プロ野球福岡ソフトバンクホークスが強くなったのは、福沢の精神が浸透しているからではないだろうか。選手は「やらされている」のではなく、個々が自分の考えを持っている。日本人全体を見れば、まだまだ周りに流されやすい人が多いようだ。 (山下航)

2021年(令和3年)07月13日

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