西日本政経懇話会

北九州542回 人間の経済活動には 「不合理な選択ある」 /大江さん講演

大江 北九州.jpg 西日本政経懇話会の4月例会が16日、小倉北区のホテルであり、野村証券出身の経済コラムニスト大江英樹氏が、1970年代に生まれた行動経済学をベースに、経済活動にまつわる人間の判断や心理について解説した=写真。要旨は次の通り。

 競馬で負け続けた人が、最終レースで本命を買えばいいのに当たる確率の低い大穴を狙うように、人間の行動は自分の利益を最大限にすることが全てではない。「不合理な選択もする」との前提に立つのが行動経済学だ。下がった株を持ち続けてしまう「塩漬け」など、株式市場で起こる現象も行動経済学の理論で説明できる。

 行動経済学に基づけば、罰金は事態の改善につながらない。ある保育園が保護者の遅刻に罰金を課したら「払えば良いのだから」と、逆に遅刻が増えた話がある。社会制度をデザインする際にも参考にできる学問で、世の中に浸透していると言えるだろう。

2019年04月18日

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