西日本政経懇話会

北九州第583回 衆院解散今年中にも」/共同通信社政治部長の杉田氏

西日本政経懇話会4月例会が13日、小倉北区のJR九州ステーションホテル小倉であった。共同通信社政治部長の杉田雄心氏が「2023年の政局と地方選挙」と題して講演した。

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要旨は次の通り。

 政権運営を見ていく上で、首相の心象風景を探ることが大事。岸田文雄首相は年始のラジオ番組に出演し、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のテーマ曲をリクエストした。北条義時が政敵に謀略を仕掛けていく物語で、「私が消されないように注意しないといけない」と発言。衆院解散もあり得るとにおわせた。
 年末年始は内閣支持率の低空飛行が続いた。自民支持層の支持率も低く、北九州市長選では与野党相乗り候補が敗北。このままでは選挙に勝てないという見方が永田町にあり、岸田首相は保守層に配慮した政策を打つ必要性に迫られた。

 支持率回復へ潮目が変わったのは日銀総裁人事。自民最大派閥の安倍派を引きつけるため、首相はアベノミクス路線を変更しないよう心を砕いた。日韓首脳会談やウクライナ訪問もプラスに働き、早期の解散論が浮上している。

 早ければ今国会が閉会する6月の解散もあり得る。ただ統一地方選で地方議員が疲弊している中での選挙には懐疑的な見方もある。本命は今年秋だと思うが、いつ解散してもいいように備えていく必要がある。 (村田直隆)

2023年(令和5年)04月14日(金)

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