筑豊第572回 水素エネ「技術は十分」/蓄電に活用を/九大・伊藤教授
西日本政経懇話会2月例会が22日、飯塚市で開かれ、九州大工学研究院の
伊藤衡平教授が「水素エネルギーって、何?」と題して講演した。
地球温暖化抑止に向け、温室効果ガスを排出しない水素エネルギーの利用を説く。その一つ、燃料電池の紹介では、ペットボトルに入れた水を電気分解した後、電子オルゴールを鳴らす実験も披露した=写真。講演要旨は次の通り。
再生可能エネルギーの場合、太陽光は夜間に発電できないなど不安定さが残り、いかに電力を蓄えるかが課題。そこで、余剰電力で水を電気分解して水素を蓄え、活用することを提案したい。
例えば自動車。街中を走るなら電池を搭載した電気自動車がコンパクトで使いやすいが、長距離トラックの電池は重く大きくなる。このため、水素を燃やして走る「水素エンジン車」や、水素と酸素の化学反応をエネルギーにして走る燃料電池車に置き換えた方が、軽量かつ小型化できる。
水素エネルギーは約50年間研究されてきたが、普及は道半ば。水素ステーションなどインフラ面の整備が課題だが、技術レベルは十分だ。 (吉武和彦)
2022年(令和4年)02月23日