西日本政経懇話会

久留米第594回 地域を挙げてアップデートを/小安美和氏

久留米 小安.jpg 西日本政経懇話会の4月例会が23日、久留米市であり、女性の雇用創出や人材育成などに取り組む小安美和氏が「これからの働き方~多様な人材を活(い)かす職場づくり」と題して講演した。要旨は次の通り。
 今回は女性活躍推進を中心に話すが、それを入り口にシニアや障害者など多様な人材が働きやすく、働きがいのある職場が増えてほしい。10年前の総務省の情報通信白書で、働く意欲があるのに働けていない人が428万人、うち女性は315万人という調査が出た。105万人が子育て、97万人が適当な仕事がない、38万人が健康上、16万人が介護・看護が理由という。
 人手不足を乗り切るにはこれまで採用しなかった人材の採用、そしてDXなど生産性向上が欠かせない。
 女性活躍が進まないのを「女性に意欲がない」と言う経営者は多い。しかし経験やスキル不足による自信のなさで、その人に能力がないわけではない。また特に福岡では家事育児時間の大きな男女格差もある。
 労働の柔軟性がなく、長時間労働、ハラスメントが横行する職場では女性だけでなく男性も働きたくない。企業1社だけでやるのは難しく、地域を挙げて男女格差をなくし、都市部から若者が戻ってこられる公正な社会へアップデートしよう。 (大矢和世)

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