西日本政経懇話会

北九州第602回 「トランプ氏、2期目別もの」/インド太平洋問題研究所の簑原理事長が指摘

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 西日本政経懇話会1月例会が17日、小倉北区のホテルで開かれ、NPO法人インド太平洋問題研究所理事長で神戸大大学院法学研究科教授の簑原俊洋氏が「異次元の大統領 トランプ二期目の発足と日本への余波」と題し講演した。要旨は次の通り。
 トランプ次期米大統領が日本時間の21日に就任する。(不倫の口止めに絡む事件で)34件の罪状全てで有罪となった「罪人」の彼が政権に返り咲けたのはなぜか。理由の一つに、大卒未満の「忘れられた人々」をはじめとした、現状に不満を持つ人たちの結集が挙げられる。ただ、トランプ氏は、長期的には富裕層に利益となる政策を中心に打ち出してくる。
 次期トランプ政権を巡り「1期目を経験済みで問題なく対応できる」との楽観的な声も一部にあるが、2期目は全く別ものになる。政権に回帰したことで自らの正当性が認められたと考えており、大胆に行動するだろう。
 トランプ氏の下で米国の影響力は低下し、世界はより不安定になる。今年は戦後80年の節目。日本は安全保障に関して、日米同盟の「一本足打法」でやってきたが米国の変容を踏まえ、北大西洋条約機構(NATO)やオーストラリアとの連携強化など、より多角的な安保の枠組みを進めるべきだ。(田中良治)

2025年(令和7年)01月18日(土)

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