北九州第592回 北九州京築地区「景気は回復」/日銀北九州支店長 寺山大右氏
西日本政経懇話会2月例会が19日、小倉北区のJR九州ステーションホテル小倉であり、日本銀行北九州支店長の寺山大右氏が「2024年北九州経済の展望」と題して講演した=写真。要旨は次の通り。
北九州・京築地区の経済構造は、製造業の割合が付加価値ベースで23・1%と、全国に比べて高いのが特徴だ。福岡市は3・0%。その差は大きい。景気は、自動車や電子部品などの輸出が好調で、生産も緩やかな回復基調にあるなど「回復している」状況だ。
日銀は、日本経済の先行きを「緩やかな回復を続けていく」と判断しているが、リスクもある。その一つが、北九州・京築地区が影響を受けやすい海外経済の動向だ。景気後退局面に入るとの見方があった米国経済は、ソフトランディング(軟着陸)がメインシナリオになっているものの、中国は景気減速が長期化する懸念がある。
日本経済の持続的な発展には人手不足対策が課題となる。人材確保のため、北九州・京築地区でも賃上げや勤務環境の改善、労働生産性の向上につながる取り組みを進める企業は多い。人手不足が大きな制約にならないような経済構造にしていく必要がある。 (田中良治)
2024年(令和6年)02月20日(火)