福岡第588回 持続可能な漁業を/フードジャーナリスト佐々木氏が講演
西日本政経懇話会11月例会が14日、福岡市内であり、一般社団法人
「Chefs for the Blue」代表理事でフードジャーナリストの佐々木ひろこ氏が「日本の水産資源を守り、食文化を未来につなぐために」と題して講演した。要旨は次の通り。
日本の漁業・養殖業生産量はピークの1984年の1282万トンから2019年は416万トンに減り3分の1を割った。20年の魚介類の国内自給率は57%。スーパーではサバやタコ、シシャモなど多くの魚種が海外産に置き換わっている。
漁獲が減少した理由は、海水温の上昇や海流の変化、藻場の消失などいくつもの要因があるが、海の再生産能力を超えた過剰漁獲が一番大きいのではないか。
18年に70年ぶりに改正され20年に施行された漁業法では「持続可能性」が目的として記載され、科学的根拠に基づく新たな資源管理システムが導入された。消費者も魚は安くて新鮮が当たり前という思い込みを改め、一緒に考えなければならない。 (古川剛光)
2022年(令和4年)11月15日(火)