西日本政経懇話会

北九州第581回 「自分の国は自分で守る」 西日本政懇 元統幕長折木氏が講演

 西日本政経懇話会2月例会が9日、小倉北区のJR九州ステーションホテル

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小倉であった。元防衛省統合幕僚長の折木良一氏が「激動する安全保障情勢と我が国の対応」と題して講演した=写真。

要旨は次の通り。

 ウクライナで戦争が始まって1年がたとうとしている。①ゼレンスキー大統領のリーダーシップ②国民の強い抵抗意思③軍の精強性―のどれか一つでも欠けたら、ウクライナ軍は崩れる。自分の国は自分で守るということが根本にないと、欧米の支援もない。

 戦後最も厳しい安全保障環境を背景に、昨年末に安保関連3文書が閣議決定された。中国のサイバー能力は高い。北朝鮮のミサイルも対応が難しくなった。東アジアで、中国の台湾侵攻を起こさせないためにどうするかを考えなければならない。抑止のシミュレーションが必要。国民保護やシェルター整備など、国家全体としての備えも必要だ。
 国際意識調査では、戦争が起きたときに「国のために戦う」と答えた割合は、日本は13・2%。誰かが助けてくれるほど現実は甘くない。「戦い」には後方支援やけが人の搬送も含む。抑止力の根本は国民の意思だ。 (後藤希)

2023年(令和5年)02月10日(金)

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